Finance
Required Courses
Investments
2020年 春
Class of 2021 TI
教授: Berk Sensoy
CAPMから始まり、市場の効率性、債券価格の計算、ポートフォリオマネジメント、オプションなど金融の基本的な部分を大体カバーできる授業です。ほぼ毎週ケース課題が課されますが、先生の配布する資料を読み、授業をしっかりと聞いていれば大部分は答えられる内容となっています。講義内容もしっかりと練られており、私は金融のまさにこの分野出身ではありましたが、それでも毎回新しい気付きがあったので、すでにある程度この分野を学習しているという人にとっても楽しめる授業だと思います。また、初学者の人にとってもわかりやすい授業構成ではないかと感じました。
2018年 秋
Class of 2020 TK
教授: Berk Sensoy
現代ポートフォリオ理論の基礎、ファーマ・フレンチモデル、債券投資、オルタナティブ投資について学ぶ。当教授のこのクラスはケース学習を中心に進められます。 中間・期末試験はなく、評価は毎週のグループワークとクラスパーティシペーションでなされます。
Corporate Valuation
2020年 春
Class of 2021 YH
教授: Jesse A Blocher
Top Hatを利用した教授オリジナルの教材を読みながら、実際の企業の業績を分析して企業価値を計算する方法を学ぶ授業になります。
目的はmultiple法とDCF法の両方で企業を評価できるようになることです。そのために必要な情報の整理の仕方、重要な項目、またエクセルを用いての必要な指標の計算方法を実際に教授が実践しながら丁寧に説明してくれます。私はファイナンスやアカウンディングの知識はでは乏しいため少し不安もありましたが、今まで習ったそれらの知識を実際にこのような形でビジネスに活かせる手法をこの授業で学んだことは非常に興味深かったですし、学んだ基礎的な知識が実践に活かせる感覚がもて面白かったです。
2019年 秋
Class of 2021 TI
教授: Craige Lewis
ケースを通じて企業価値算定の方法を学ぶ授業です。ほぼ毎週グループでケースの課題が課され、かつ、そのうちの一つはクラス内で発表をするという形式です。ベータ値の算定方法から、Discount Free Cashflow法、Multiple(EV/EBTITDA倍率など)を使用した企業価値算出といったことを一通り扱います。ただし、レポート作成に関しては既に前提知識がある程度ないとかなり厳しいと感じました(授業内容は一から優しく教えるという感じではありません。)。そもそも企業価値算定に絶対的な方程式みたいなものはなく、アートの世界なので(教授もよくこのように言っていました)、そこは割り切って学習するのが良いかと思います。個人的には簡単な企業算定の内容の本(日本語)を読んでおくと、理解度も深まり、知識定着も図れるためお勧めです。
Electives
Corporate Financial Policy
2020年 春
Class of 2020 MI
教授: Joshua White
企業の財務戦略について学びます。取締役の報酬制度、最適資本構成、IPO手続き等を、毎週の講義及びケーススタディを通じて扱います。これらの財務戦略が企業価値にどのような影響を与えるか、という視点で意思決定を分析するため、財務部門の方のみならず、経営を将来行う立場にある方には必須の知識であると感じました。コーポレート・ヴァリュエーションの授業と相まって、ファイナンス思考を深めてくれる非常におすすめの授業です。毎週のグループワークは大変重かったですが、学びも多くその負担の価値がある時間でした。
2019年 春
Class of 2019 AI
教授: Joshua White
取締役会、取締役報酬、資本構成、資金調達および配当政策など、企業の財務政策全般について学ぶ授業で、座学とケースを交互で取り組みます。 SECアナリストも務めていた教授は、軽快な授業の運びで、説明も非常にわかりやすく、さらにアカデミックな側面からの企業考察も非常に興味深く、大変楽しい授業でした。 毎週のグループWriteup(うち1回はプレゼン)はハードですが、Finance専攻の方にはお勧めの授業です。
International Financial Markets and Instruments
2020年 春
Class of 2021 TI
教授: Miguel Palacios
グローバルに事業展開している企業が如何にして為替リスク等のヘッジをするのかを学ぶ授業です。最終試験はなく、中間試験2回とレポート2つ、そして最終プレゼンでの評価となります。レポートとプレゼンは内容がリンクしており、各チームが1つ企業を選び、その企業がアメリカ以外のマーケットに進出する際の事業リスクや為替リスクに関してまとめるという内容となっています。毎週ケースが1つ課され、ケースを扱わない日は講義形式となります。為替ヘッジに関しては主に先渡し取引とオプションを取り扱います。レポート内容にこれらのデリバティブをいかに活用すべきかを盛り込む必要があるため、デリバティブに対する基本的な理解が求められます。一方で、デリバティブがメインの授業ではないため、ここのサポートが手薄な点が、この授業の難易度を高めている気がしました。個人的には、将来の予測売り上げに対して予め為替ヘッジをかけ、実際の売り上げが予測を上回ったり下回ったりしたときのヘッジの効果を検証するという内容のクラスが一番印象に残っています。
Bond Markets
2020年 春
Class of 2021 TI
教授: Benjamin Munyan
債券の価格決定方法、各種利回り計算、デュレーション、コンベクシティ、オプション、スワップといった債券に関わるものの大半をカバーしている授業です。授業スライドの質も高く、かつ、その日のマーケットに関してコメントを随時してくれたり、最新の記事を共有してくれたりと非常に楽しく受講できたクラスでした。一方で課題量は多く、毎週の小テストに加え3回分の課題提出、最終週にはアカデミックレポートを読んでその内容を要約したものを提出、更に最終試験まであり盛り沢山の内容となっています。内容もそれなりに難しいので、あらかじめ債券の知識がある程度ないと相当な負荷のかかる授業になるかと思います。レポートは個人課題でありそれなりの負担になるので、金融英語に慣れていない人は以下の書籍を活用するとよいかと思います。
金融英語の基礎と応用 すぐに役立つ表現・文例1300 鈴木立哉著
辞書的な側面もありますが、金融ならではの言い回しが学べます。これがあればウォールストリートジャーナルを読むのも、金融関係のレポートを書くのも怖くありません。
Advanced Corporate Valuation
2020年 春
Class of 2019 AF
教授: Blocher Jesse A.
コアのCorporate Valuationをベースに、多国籍、複数事業などの複雑な事業構造をした企業のvaluationや、R&D費、operating lease、stock option、minority interestなど、キーとなる項目を調整し、適切なvaluatiionを目指す授業です。グループプレゼンと個人課題で、それぞれ好みの実企業を選択し、valuationを行うという課題が課されます。
Mergers and Acquisitions
2018年 秋
Class of 2020 TK
教授: James K. Seward
M&Aにおけるシナジー効果の考え方、株式交換による買収、オプションの設定、敵対的買収、成長戦略としての買収等について学びます。ケース学習を中心に進められます。 評価は毎週のグループワークとクラスパーティシペーション、そして期末のピッチブック作成でなされます。毎回のケースに教授が論点を整理しながら勧めてくれる点が良かったです
2017年 春
Class of 2018 SK
教授: Nicholas Crain
毎週出されるM&Aのケースに対して、戦略的意義、バリュエーション、その他課題(株式交換 vs.キャッシュ、買収防衛策、買収後資本構成、資産買収 vs.株式買収)等に関する レポートを提出します。課題の負担が重い授業ではありましたが、沢山のケースをこなしたことで一番習得度が高い授業だった様に感じました。また、最終提出物として、想定案件に対する 買収提案書(Pitch book)の作成があり、30~40ページのスライドを作成しました。期末試験は無し。最初のレポート以外は全てグループ課題となり、グループメンバー選びが重要です。 ファイナンス専攻だけでなく、事業戦略に興味がある人にはオススメの授業だといえます。
Risk Management
2015年 春
Class of 2015 TW
教授: Clifford Ball
投資リスクの管理について学ぶクラス。VaR の計算と解釈から始まり、Monte - Carlo やDelta - Normal といった手法を用いたシュミレーション、CDS の価格決定までを 学ぶ。学ぶ内容は広くないものの、実際にシミュレーションを行ったり、現実に起こった金融スキャンダルを、VaR のシュミレーションを基に分析するなど深い理解が 求められる。VaR は多くの前提条件に基づいているため平時にしか有効ではない一方で、リスクを客観的に説明できる指標であることから、非常に使いやすいツールになる ことがわかる。評価は3回のクイズ、VaR シミュレーション、ファイナルプロジェクト及びプレゼン、期末試験で行われる。シミュレーションはボリュームがある。
2015年 春
Class of 2015 HK
教授: Clifford Ball
金融機関のリスク管理に関する授業(Bonds Markets とDerivatievs Markets がPrerequisite となっている)。Basel 規制の歴史から始まり、VaR の算出方法 (ヒストリカル、モンテカルロ、 Delta Normal )、信用リスク管理(Migration Model、Credit Scoring )についてカバーする。
Derivatives Markets
2020年 春
Class of 2021 TI
教授: Angel Tengulov
デリバティブに特化した、かなりニッチな分野の授業です。アメリカはデリバティブ先進国であり、身近な金融商品(ローンなど)にもデリバティブが組み込まれているので、デリバティブを深く理解したいという人にはうってつけの授業です。この授業をとれば、先物取引、先渡取引、オプションの概要を理解できるようになります。授業スライドもよくできているのですが、デリバティブの特性上、計算が多いのでその点は覚悟のうえで受講することをお勧めします。この授業の最終目標はブラックショールズモデルの理解となっていますが、この式の導出方法といったより数学チックな内容が要求されるのではなく、ボラティリティや金利がどのようにオプション価格に影響するのかを理解するといった、最初の第一歩的なところまでという感じとなります。
Financial Data Analysis
2011年 春
Class of 2011 HS
教授: Schenzler Christoph
統計の精度において評価が高いSAS プログラムのクラス。授業は、プログラミング言語の学習のみ。受講生の大半がSAS の経験があると思われるMSF の生徒で、ホームワークやテストは competitive 。
Derivative Securities Valuation
2011年 春
Class of 2011 YT
教授: Nicole Branger
おそらくOwen の全ての授業の中で最高難易度を誇る授業。ドイツからのVisiting Professor が担当する。Derivatives Markets 等他の授業では所与とされたブラックショールズ式に ついて、その「なぜ」の部分を学ぶ。二項ツリーから始まり、伊藤のレンマ、モンテカルロ・シミュレーションによる予想、ボラティリティ・スマイル、エキゾチック・オプション、 クレジット・デリバティブなどの幅広いテーマをカバーする。毎週の小テストとグループ課題が課せられ、非常に負荷が高かったが得るものも大きかった。
Corporate Restructuring for Distressed Firms (short course)
2020年 春
Class of 2021 TI
教授: James K. Seward
こちらは隔週の金・土・日を使って開催されるショートコースとなります。教授はNYで教鞭をとっているらしく、この授業のためにNYからわざわざOwenにきて授業をしています。この授業では連邦倒産法第11章(通称Chapter11)とは何なのかから学び、企業がどういったときにこの倒産法を申請するのか、そのメリット・デメリット、Shareholderに対する影響、倒産法を申請しそうな会社を事前に予測することは可能なのかなどについて学びます。破産法と聞くとネガティブなイメージがありますが、米国の場合は事業の再スタートを助けるという側面が強く、なぜアメリカの企業がこの倒産法を申請するのかという点の理解が深まるコースとなっています。毎週ケースが1つもしくは2つ課され、それについてプレゼンをする必要があります。また、最終プレゼンは教授に対して、教授が書いたレポートの良い点と改善点を指摘するという内容で、なかなか重めです。一方で、授業で取り扱うケースの一つであるMF Globalという企業が欧州危機の影響で2011年に倒産法を申請したという話はかなり面白いので、是非読んでほしいです。ただし、どの週も読むべき分量はかなり多く、隔週の週末がこの授業でとられてしうまうのはそれなりの負担になるので、そのほかのクラスとのバランスを考慮したうえで受講を検討するとよいと思います。
2019年 春
Class of 2019 Y
教授: James K. Seward
破綻状態にある企業の事業再生や破綻処理について学ぶ。3週に渡って週末(金、土、日) に渡って行われるショートコース。 Chapter 11 (Reorganization: 事業再生)と Chapter 7 (Liquidation: 整理・清算)の 手順やメリット・デメリットについて学んだのちに、 実際の破綻事例を用いたケーススタディーを行なった。破綻処理の際には企業価値評価を行うが、授業自体はどちらかと言うと事業再生や破綻処理のプロセスに重きを置いていた。 債権者、株主の他に、裁判官や破産管財人などの登場人物もいる上、破綻処理における特有のルール(例えば、Chapter 11 の Automatic Stay という債権者の資産の保全 に関するルールなど)があり、プロセス自体は 複雑であると感じた。
Financial Institutions
2017年 秋
Class of 2018 SK
教授: Benjamin Munyan
米国金融機関(銀行、証券会社、保険会社、ノンバンク)の基本的な仕組みやビジネスモデル等を一通り学んだ上で、 米国の金融規制やバリュエーション手法などの初歩(触り程度)を学んだ。基本的には座学中心の授業であり、カバー範囲は広く浅くという感じで進められる。 評価方法は、小テスト3回、プロブレムセット3回、そして最終課題で決められる。 最終課題として米国金融機関を題材としたアナリストレポートの作成(若しくはM&Aの提案書の作成)という個人課題が課される。
Entrepreneurial Finance
2020年 春
Class of 2021 TI
教授: Berk Sensoy
ベンチャー企業がどのようにベンチャーキャピタルやプライベートエクイティファンドから資金調達をするのか、その方法やその結果Ownershipはどう変化するのかなどを学ぶ授業です。この分野はやはりアメリカが最先端で、かつ事例も多くあるので、もしベンチャー企業のファイナンス方法やベンチャー企業投資などに興味がある人は受講をお勧めします。最終試験はなく、その代わり、最後にチームで選んだ最近上場した企業の過去の資金調達や現在のバリュエーションに関してプレゼンを行う必要があります。また、課題のレポートは定性的な問いと定量的な問いが半々くらいの構成となっており、チームでしっかりと役割分担をして臨むとよいと思います。